2019年7/15昼席「天満天神繁盛亭」
「天満天神繁盛亭」にやってきました。「天満天神繁盛亭」というのは関西の定席の寄席。上方落語協会の6代目会長だった桂三枝(現桂文枝)が、天神橋筋商店街の空き店舗で落語会を行える所を依頼した所からスタートし、商店街側はこの提案を大阪天満宮に持ち込み、上方落語協会も交えて話し合いを重ねた結果、天満宮用地に落語専門の定席を新設することで合意したそうです。そして確か土地は大阪天満宮側が無償で提供した記憶が!?この結果、2006年9/15に開席。半世紀ぶりに関西に定席の寄席が復活する事になりました。
そして「天満天神繁盛亭」吉本興業・松竹芸能・米朝事務所の影響をできる限り受けない形での運営だった記憶がある訳なんですが。

"落語を聴きに寄席に行く"そして「天満天神繁盛亭」に行くのはこれが初めてな訳なんですが、実は落語自体は音楽のライブで聴いた事があるんですよ!! な訳なんですが、こうやってきちんとした形で観に行くのは初めてなのでとても緊張しています。
で、今回観に行く公演内容はこちら。
桂九ノ一/笑福亭松五/桂ちょうば/笑福亭智之介(マジック)/
森乃福郎〜仲入〜口上・抽選会/笑福亭笑瓶/桂文之助
誰目当てで行ったかというと、笑福亭笑瓶というはっきり言って邪道(爆)な訳なんですが。笑福亭笑瓶笑福亭鶴瓶の1番弟子なんですが、どうして笑福亭笑瓶笑福亭鶴瓶に入門した理由は『落語をやらない』からだった記憶があるんですが、その後笑福亭鶴瓶が落語の魅力に取り憑かれた事によって1番弟子の笑福亭笑瓶も落語をやらざるをえない形になった訳なんですが。ほぼ間違いなく創作落語だと思うんですが、どんな落語をするのだろう!?というのが非常に楽しみだったので、初の落語の寄席に足を運んだ訳なんですが。

で、やってきた「天満天神繁盛亭」なんですが、当日券は立ち見のみという展開に・・・。前売券を購入しとけば良かったという後悔が・・・。
で、入った「天満天神繁盛亭」の客席だったんですが、入った瞬間思った事が"めっちゃ狭い"でした。正直寄席って大きいというイメージがあったんですが・・・。2階席があるという部分を差し引いても小さな箱のライブハウスの広さぐらいしかないんだなと。とても意外でした。

ここからレポに入る訳なんですが、先に書きますが私落語は詳しくありませんので、落語に疎い人間からのレポだと思って下さい。
まず最初に登場したのは桂九ノ一。名前が”九ノ一”というので女だと思った方がいたと思うんですが、すいません男でというのを枕にした後、ネタの方は頭の悪い方が家を褒めるネタで、なかなか頭の中に入っていかないのでカンニングペーパーを用いながら褒めていくんですが、要するに前半は振りで後半の言い間違いで笑いを取っていくネタだと思うんですが、一生懸命にネタをやる姿は好感が持てたんですが、人物描写がちょっと弱いかな?と思ってしまいました。

次に登場してきたのは笑福亭松五。この方は枕を上手い事使ってネタに導入していった印象がありました。まず師匠の名前(笑福亭松枝)をネタにした後に、文字が読めない丁稚がお客さんに品物を届けていくネタだったと思うんですが、文字が読めないので行く人々に教えてもらいながらお客さんの元に行くんですが、段々と奇想天外な方向に行ったのが印象に残りました。

3番目に登場したのは桂ちょうば。個人的には今日観た中では1番好きな落語でした。怪談ネタだったんですが、良い意味でとっつきやすいというか、また聴きたいと思わせてくれるというか。私みたいな落語初心者にとっては非常にとっつきやすいネタの様に思いました。

4番目は森乃福郎。落語というよりかはちょっとした小噺を聴いた感じを受けました。江戸時代に続いた徳川幕府についてのネタだったんですが、良い意味で勉強になったし"あぁ〜"と思わしてくれました。

次は色物で笑福亭智之介のマジックだったんですが、マジック自体はオーソドックスだったんですが、そのオーソドックスの中にも"おぉ"と思わせてくれるものもあったり。最後のオチはやはり"芸人がやるマジック"だなと感心したり。

仲入(休憩)の後は口上で森乃福郎・笑福亭笑瓶・桂文之助のお三方が登場。ここで"笑瓶さん登場してくるのね"と普通に思ってしまった訳なんですが。口上が済んだ後に抽選会なんですが、司会の桂ちょうばが上手い事盛り上げていきます!!

そして本日のお目当て笑福亭笑瓶が登場してきたんですが、まずは抽選会が長いというダメ出しを。その後に自分の事を"上方落語協会の天然記念物"と言った後に、甘いものが食べたいと。アーモンドチョコレートを食べたかったそうなんですが、もうすぐ出番だったので我慢していたら抽選会が長かったのでアーモンドチョコレートを買いに行って食べれたのではないかと。再び舞台袖に「抽選会が長い」と行った後に、「お陰で時間が押して落語ができなくなった」と。心の中で"えぇ〜"という声を出してしまいましたよ!!"あなたを観にやってきたのに"と。この後に自分の落語を観た事があるか!?と。その落語の自慢と新しく作った落語の出来が非常に良いと自慢するんですが時間がないのでできないと。ここで"今回は元々ネタをする気がない"んだなと。落語の本編に入るまでの枕というよりも、"持ち時間を消費するためのフリートーク"な感じになっているんですが、悔しいかな?そのフリートークが面白くて爆笑をかっさらう、かっさらう。で、この後に自分の糖尿病をネタにして話をするんですが、ここでもしっかりと笑いを取るんですが、"聴きたいのはフリートークじゃなくて落語なんだよな〜"と思ったら、ラストはマッサージ師に強くマッサージをしてもらった後、身体に変調が来て大学病院に急患でみてもらうという自身の体験談を落語にしたんですが、正直"人物描写上手いよな〜"と思ってしまいました。オチはどうするのかな?と思ったら、「お時間が来てしまいました」というまさかな展開だったんですが・・・。ちゃんと落語を聞いてみたいと思いました。

トリを務めたのは桂文之助。枕で国家資格の天気予報士の資格を持っていると。前線についての説明をしていたんですが、そこで寄席にも前線があると。「笑わせたい演者と、なかなか笑わないお客」の前線は舞台袖にあるだったかな?非常に上手いなと思いました。この後にネタに入るんですが、大きな問屋のご主人がお妾の女性と結婚をしたいと思っているんだけど、なかなか踏ん切りがつかないのでそのお妾の女性を結婚していいかどうか人間性を試すみたいなネタだったと思うんですが、人物描写が非常に上手いし、それよりも話の世界に入っていきやすいと。良い意味で"無の境地"で落語を聞けた様に思いました。

一番印象に残ったのは桂ちょうばですか。多分桂ざこばのお弟子さんですよね?非常に面白かったと思ったし、また観に行きたいなと思いました。そして笑福亭笑瓶には"してやられた"なと。これ"ちゃんとやるのは鶴瓶一門会だけなのか!?"と普通に思ってしまった自分がいるので、鶴瓶一門会笑福亭笑瓶が出演するなら、意地でも観に行ってやりたい(爆)と思いました。

初めて行った寄席だったんですが、正直言って"とても堅苦しい"というイメージがあったんですが、思っていた以上に"とっつきやすい"と思いました。関西は漫才、コントがオーバーグラウンドで落語は伝統芸能な感じになっていると思うんですが、落語家さんがテレビ番組にもっと打ってでてもいい様な気もするんですけどね。桂三度も気がついたらメディアには出てこなくなった印象があるし。「天満天神繁盛亭」にはまた足を運びたいし、上方落語協会の2つめの落語の定席「新開地喜楽亭」にも足を運びたいし、もっと言うなら吉本興業「なんばグランド花月」松竹芸能「心斎橋角座」にも足を運びたいなと。なんでもそうなのかもしれないんですけどね、やっぱりライブが1番だなと。

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