2023年11/15夜席「新開地喜楽館」(喜楽館東西交流会 11月公演)
初めて夜席の方に足を運びました。お目当ては蝶花楼桃花です。落語協会所属の落語家さんで2022年3月に真打に昇進して、これまでの春風亭ぴっかり☆から改名(師匠は春風亭小朝)したそうで。日本テレビ系列で放映されている老舗番組「笑点」三遊亭円楽の代理として女性として初めての回答者となり、その後「笑点」の次期レギュラーになるのでは!?と言われていた人なので一度落語を観てみたいなと思っていました。実は3ヶ月前に出演するのを知っていたのでチケットを取って観に行く予定だったんですが台風が直撃してしまい公演中止。ようやく念願叶って観に行く事が出来たんですが。この日の公演内容はこちら。
桂健枝郎「もぎとり」
昔昔亭昇「やかんなめ」
月亭遊真「紙入れ」
蝶花楼桃花「元禄女太陽伝」
ーー仲入りーー
柳亭小痴楽「湯屋番」
林家菊丸「幸助餅」
最初に登場してきたのは桂健枝郎。出演の名前にはなかったので勝手に出てきた訳ではないんですが、開口一番を努めさせてもらいますと言った後に、今のうちに携帯電話やトイレに行ってきて下さいと言った後に「もぎとり」の噺をしたんですが、伊勢神宮にお参りした時に、色々な出店に立ち寄っては騙されるみたいな感じの噺に思ったんですが、それにしても開口一番で上方落語特有のハメモノをするとは思わなかった。

次に登場してきたのは昔昔亭昇。こちらの方は落語芸術協会の落語家さんで二つ目だそうです。枕は前座と二つ目の違いは羽織袴を着ているかどうか?という事を言った後、ずっと羽織りを着る事に憧れていたがいざ着てみると非常に暑いと。そこから今年の夏は非常に暑かったという話をした後に、汗かきなので今年の夏はTシャツを4枚持って出歩いていたと。で、ある電車に乗っていた時、隣に細い女性がいたそうなんですが、その時に大きなカナブンが飛んでいて、その女性は怖くなり隣にいた私の腕に抱きついたんですが、私の腕に抱きついた瞬間非常に嫌な表情をしたそうで。カナブンよりも嫌だったのか!?という事を言った後に、私だけ2日間出演していると。2日目こんなにも時間が空いたので、喜楽館の昼席の落語を観て勉強するか?足を伸ばして天満天神繁盛亭に行くか?それともNGK(なんばグランド花月)に行くか?迷ったんですが、チョコレートミュージアムに足を運んだという話を。チョコレートが非常に好きらしく、チョコレートスペシャリストという資格を持っていると。で、チョコレートミュージアムに行くと若い女性ばっかりで男性は私しかいなかったと。で、合言葉があるらしく出口の所にいる係員にその合言葉を言ったらなにかもらえるそうだったんですが、その合言葉を係員が忘れていたそうで、それを言われた係員が非常に戸惑っているという話をした後に、「やかんなめ」の噺が始まったんですが、昔の女性は癪を起こす人が沢山いたそうで、その直し方も人それぞれだったんですが、この噺に出てくる女将さんの癪の直し方はやかんをなめる事だそうで。ある日出掛けた最中に癪になってしまったんですが、お供をした丁稚はやかんを持ってくるのを忘れてしまい、近くを通ったお侍さんの頭がやかんそっくりだったのでその頭を借りる事になるんですが。それにしても昔昔亭昇の人物描写が凄いなと。それでいて噺に引き込まれる!!

3番目に登場してきたのは月亭遊真。枕は師匠の月亭遊方と定食屋に食事に行った際、師匠の月亭遊方がとんかつ定食を注文したので自分もとんかつ定食を注文したら間違いないだろうと思い、注文したら月亭遊方に怒られてしまったと。理由は違うものを注文したら2倍楽しめたではないかと。この後に月亭八光が司会のクイズ番組で月亭遊真にとっては大師匠にあたる月亭八方がお気に入りの女性と寿司屋に行った際、月亭八方の奥さんと鉢合わせてしまう。その時、月亭八方の奥さんは空気を読んで「月亭八方の妹です」と挨拶したんですが、その後月亭八方はどの様な行動をとったのでしょうか?というクイズが出されたんですが、解答者は全員外れ。この後の答え合わせを大師匠の月亭八方に聞いたんですが、ただ俯いていただけだったそうです・・・。噺は「紙入れ」だったんですが、女将さん役をやっていた時の月亭遊方の色気が変な方向に行っていた気がしたのは気のせいかな?

この後に登場してきたのはお目当てだった蝶花楼桃花。名前が台湾料理屋みたいでしょ!?と言った所から枕が始まるんですが、落語会のカースト制度に身を置いて16年、ようやく真打になりました!!女の幸せを捨ててと言った所から、コロナが明けてから寄席にも人が戻ってきたと言った後に、初めて寄席に来た高校生の女の子に「歌舞伎と落語ってどう違うんですか?」と。それに対して客質が違うと。で、昔蝶花楼桃花も歌舞伎にはまっていて若い頃よく歌舞伎座に足を運んでいたそうで。お金がなくて1番安い席で見ていたそうなんですが、その安い席の中で花道まで見渡せる事ができる席が1席だけあるので、その席目当てでダッシュで目指したと言った後に、この時期によく演る演目が赤穂浪士なんですが、今の若い子は赤穂浪士の話を聞いた感想は"それってテロだよね〜"だそうなんですが、確かにそうだよなと思いながら、そこから「元禄女太陽伝」の噺になるんですが、江戸の吉原に憧れを持つ女性が自ら望んで太夫になったんですが、あんまり相手にされる事はなく・・・。ある日、大石内蔵助の息子、大石主税を男にするために家臣と共に吉原に行き、身分を隠すために町人と偽りそこで大石主税は男になるんですが。で、討ち入りを果たした後に吉原のすぐそばを通った時、大石主税を見つけた太夫は吉原中に「大石主税を男にしたのは私」というチラシを配り、吉原で人気の太夫になった噺なんですが、滑稽な部分もありつつも少しだけ感動してしまった部分もあったかな?

仲入り後登場してきたのは柳亭小痴楽。この方は落語芸術協会の噺家さんです。枕は東京都渋谷区代官山育ちだという事を言った後に、蝶花楼桃花も同じ所だと言った後に、あの人は下の方で育ったから言葉が悪いと。噺の中での言葉使いについて言及した後に、「あの人も落語界のカースト制度についてはよく分かっているから。私の方が若干入門したのが早いので」と言ったら、私服姿の蝶花楼桃花が乱入してきたじゃないですか!!この後に落語の良い所は年関係なく1つのゴールに向かって協力する所と言っていました。柳亭小痴楽は16歳で入門したそうなんですが、96歳の大師匠も同じ様に今日の寄席のお客の状況について知りたがっていました。ちなみに96歳の大師匠は桂米丸桂歌丸の師匠だそうなんですが、入門したてなのによく話しかけてくれたと。会社で言ったら会長が新入社員に話しかけてくれるもんだと。この後に「湯屋番」をやったんですが、確かこの噺は林家菊丸がやっていた記憶が?非常に滑稽な噺だったんですが、柳亭小痴楽のキャラクターとよく合っている様に思いました。

最後に登場してきたのは林家菊丸観たのは喜楽館のゴールデンウィーク興行以来ですか。枕はなくいきなり「幸助餅」の噺になったんですが。餅米問屋の大将がある力士のタニマチになり入れ上げてしまい破産してしまったので妹を質に入れて30両借してもらい再起を図るんですが、その帰りにその力士が大将に大関に昇進したという事を報告しに1日だけ大阪にやってきたんですが、その心意気に感激し思わず30両を大関昇進のお祝いに渡してしまう。で、たまたま通りかかった大将のおじに事の経緯を説明した所、その力士に事情を説明して30両を返してもらい行ったんですが拒否されてしまう。その後、その話を聞いた30両を貸した女将があまりに不憫だという事でもう一度30両を貸して餅米問屋として再起を図るんですが。噺のテンポが良い意味で緩やかですっと入っていきやすく、非常に良い人情噺だと思いました。

この日の寄席で1番印象に残ったのは昔昔亭昇でした。しゃべり口調も江戸っ子な感じがしたんですが、それ以上に人の懐に入るかの様な人柄で枕も噺も非常に面白かったです!!そしてお目当ての蝶花楼桃花は意外とブラックな感じだったのが印象的でした。そして今回たまたまだったのかもしれないんですが、お江戸の落語家さん御三方はじっくり枕で観客の心を掴んでから噺に入っていった印象を受けました。最後に12月に観に行きたいと思うのが天満天神繁昌亭で昼席・夜席で各一席あるんですが、そのうち昼席の方は実は色物がお目当てだったりします。果たして観に行く事ができるのでしょうか?

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